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般若心経で述べられている「空」の思想は、思想として勉強するためのものではなく、「観」の瞑想をするための指針だ。
般若心経は、後半部で「真言(呪文・マントラ)」を称えて紹介している。「般若波羅蜜多」の修行は「真言」を繰り返し唱える「念誦法」と呼ばれる方法で行う修行。
しかし、「真言」を唱えるからといって密教ではない。
智慧を得て解脱するためには「観」の瞑想を行うが、深い智慧を得るためには、まず、何か一つのものだけに集中し続け、言葉による認識のない状態でその対象との一体化を目指す「止」の瞑想が必要になる。
小乗仏教でも、まず呼吸など40種類の対象(四十業処)に集中する「止」を行い「観」に移る。
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「止」を行う際、集中する対象を指す言葉を繰り返し唱えながらその対象に集中する。例えば、呼吸に集中する場合は、「息を吸った、息を吐いた」と繰り返し唱える。
対して、般若心経が説いている「般若波羅蜜多」の瞑想法は、「真言」を繰り返して唱えてそれ自身に集中する方法。
まず、「真言」を唱えながら心を「真言」に集中し一体化する。後、「真言」を唱え続けながら、自分が体験していることや外界の存在などの現実を対象にして観察する。
日常的な主観を排除して、般若心経で述べられている「空」の教説に沿い、自分がそれらに対して妄想や執着を持っているけれども、実際にはそれらが存在しないこと、つまり「法」も含めてすべては「空」であると理解するのだ。
十分に分析し尽くすと、やがては言葉で認識しようとすることがなくなり、直観的にあるがままを認識する「空」の智慧が生じる。
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